サブネットとサブネットマスクの違いとは?クラスA〜Eの基礎【前編】
「サブネット」と「サブネットマスク」、この2つの言葉が、私にはずっと同じものに見えていました。ping-tの問題を解いていても、交互に出てくるたびに軽く混乱していました。
こんにちは、ハチイチです。
この記事は、40代からネットワーク学習のためにCCNA資格取得をめざす学習ブログです。
初心者の目線で、学習で学んだ「つまずき」や「気づき」を書いています。
ボリュームが大きいテーマなので、 サブネットマスクとクラスの基礎(前編)・実際の計算方法(計算編)・クラスB・Cとの関係(応用編) の3本に分けています。
この記事で分かること
- サブネットとサブネットマスクが、何がどう違うのか説明できるようになる
- クラスA〜Eの範囲を、丸暗記せずにその場で導き出せるようになる
- クラスとデフォルトマスクが、どうつながっているかが分かる
- クラス・デフォルトマスク・プライベートIP・サブネットマスクを、それぞれ区別して説明できるようになる
計算に進む前に、3つの言葉を整理しておく理由
ping-tや参考書を読んでいると、「サブネット」「サブネットマスク」「クラス」という言葉がまとめて登場します。
この3つを混同したまま計算方法に進むと、あとでつまずくと感じたので、先にそれぞれの意味を整理しておくことにしました。
- サブネット:サブネットマスクで区切った結果できる「実際のネットワークの区画」
- サブネットマスク:ネットワーク部とホスト部の境界線を決める「ものさし」
- クラス:IPアドレスを規模別に5段階に分けたもの(A〜E)
サブネットとサブネットマスクは別物:「ものさし」と「区画」の違い
ここが、私が最初に混乱したポイントです。
- サブネットマスク:ネットワーク部とホスト部の境界線を決めるものさし(255.255.255.192や/26のような表記)
- サブネット:そのものさしで実際に区切られた、個々のネットワークの区画(192.168.1.64/26など)

「サブネットマスクの計算」と言うときは、ものさし(境界線)をどこに引くかを決める作業を指します。
「サブネットの計算」と言うときは、その境界線を使って実際の区画(ネットワークアドレスやホスト範囲)を求める作業を指します。
クラスA〜Eの基礎
クラスは、IPアドレスを規模別に5段階に分けたものです。先頭のビットパターンによって自動的に決まります。
私は洋服のサイズ(S・M・L)に例えて覚えました。
- 大企業向けの「Lサイズ」がクラスA
- 中規模向けの「Mサイズ」がクラスB
- 小規模・家庭向けの「Sサイズ」がクラスC
範囲をまとめると、こうなります。
| クラス | 範囲(第1オクテット) | サイズ感 | デフォルトマスク |
|---|---|---|---|
| A | 0〜127 | Lサイズ(大企業向け) | /8 |
| B | 128〜191 | Mサイズ(中規模向け) | /16 |
| C | 192〜223 | Sサイズ(小規模・家庭向け) | /24 |
| D | 224〜239 | マルチキャスト用 | ― |
| E | 240〜255 | 実験用 | ― |
クラスは「1」が増えるだけ! 2進数で見ると一目瞭然
「1が増えるだけとは?」は、2進数の先頭パターンを見ると納得できます。

クラスAは先頭が「0」、クラスBは「10」、クラスCは「110」……というように、先頭に並ぶ「1」の数が1個ずつ増えていくだけです。
10進数の範囲を丸暗記しなくても、この規則性さえ知っていれば、その場で計算し直せます。
忘れても大丈夫!「半分ずつ足す」だけで範囲を導き出すコツ
「半分ずつ足していく」という考え方です。

- クラスA:0から128個分 → 0〜127
- クラスB:128から64個分(+64) → 128〜191
- クラスC:192から32個分(+32) → 192〜223
- クラスD:224から16個分(+16) → 224〜239
- クラスE:残り16個分 → 240〜255
もう1つ、実機でよく見る「192.168.x.x」を基準にする方法もあります。
「192.168.〜は家や小さいオフィスで使うから、Sサイズのクラス」と覚えておけば、「192から始まるのがクラスCのスタート」と前後の範囲も芋づる式に思い出せます。
クラスが決まれば自動で決まる「デフォルトマスク」とは?
IPアドレスの先頭を見れば、そのアドレスがどのクラスかが分かり、そこから「デフォルトマスク」が決まります。

「クラスB=172」は勘違い?クラスとプライベートIPの正しい関係
私はずっと、「クラス=プライベートIP」だと思い込んでいました。「クラスB=172.16〜」「クラスC=192.168〜」という感覚です。ですが、これは正確ではありませんでした。
- クラス:グローバルIPも含めた、IPアドレス全体の規模別分類
- プライベートIP:そのクラスの中から一部だけを切り出した、社内や家庭で自由に使ってよい特別枠

例えば、クラスBの範囲は128〜191(64個)ですが、プライベートIPとして使えるのは172.16〜172.31(16個)だけです。
残りの大部分は、グローバルIPとして使われています。
プライベートIPの範囲をまとめると、こうなります。
| クラス | プライベートIPの範囲 | CIDR表記 |
|---|---|---|
| A | 10.0.0.0〜10.255.255.255 | 10.0.0.0/8 |
| B | 172.16.0.0〜172.31.255.255 | 172.16.0.0/12 |
| C | 192.168.0.0〜192.168.255.255 | 192.168.0.0/16 |
デフォルトマスク(クラスに紐づく境界線のルール)と、プライベートIP(使ってよい番号の範囲)も、役割が別物です。
デフォルトマスクは「どこで区切るか」を決めるだけで、そのアドレスがプライベートIPかどうかとは関係がありません。
初期値(デフォルト)からカスタマイズ(サブネット化)へのつながり
もう1つ、混同しやすいのが「デフォルトマスク」と「サブネットマスク」です。
- デフォルトマスク:クラスによって自動的に決まる、初期状態の境界線(クラスA=/8、B=/16、C=/24)
- サブネットマスク:デフォルトマスクを出発点にして、自分で自由に区切り直した境界線(/26、/27など)
| デフォルトマスク | サブネットマスク | |
|---|---|---|
| 決まり方 | クラスによって自動的に決まる | 自分で自由に決める |
| 例 | クラスA=/8、B=/16、C=/24 | /26、/27、/30など |
| 位置づけ | サブネット化の出発点(初期値) | 出発点から区切り直した結果 |
つまずきポイント
各クラスの規模の差が極端で、整理がつかなかった
クラスAは1600万台以上、クラスCは254台と、桁が大きく違います。
最初はこの差の意味がうまくつかめず、S・M・Lサイズのたとえで「規模がぜんぜん違うグループなんだ」と割り切ってしまうほうが、頭の整理には早かったです。
クラスD・Eの存在意義がピンとこなかった
実機の設定で見るのは「192.168.〜」や「10.〜」といったクラスA〜Cばかりで、クラスD・Eが何のためにあるのか、学習を始めた当初はまったくイメージが湧きませんでした。
調べてみると、次のように整理できました。
クラスD(224〜239):マルチキャスト専用
- 1台対1台(ユニキャスト)でも、LAN内全員宛て(ブロードキャスト)でもなく、「特定のグループだけ」に一斉送信するための帯域
- ルーター同士がルート情報をやり取りするときや、動画配信・会議システムなど、複数の相手に同じデータを同時に届けたい場面で使われる
- 一般のPCやサーバー1台1台には割り当てない
クラスE(240〜255):将来のための予約領域
- 研究や将来の拡張のために、使わずに残してある範囲
- 一般の機器の設定には使われない
「クラスA〜Cは機器1台ずつの住所、クラスDはグループ宛ての送信専用、クラスEは未使用の予備地」と整理すると、それぞれの役割がつながりました。
クラスAの範囲は「0〜127」で合っているのか
学習を進める中で、「厳密には1〜126では」という話に触れました。
0.0.0.0は「未指定」用に予約されていて、127.0.0.0は自分自身を指すループバック用(127.0.0.1など)に予約されているため、実際に割り当てられる範囲は1〜126になります。
ただ、クラス分けの考え方そのものを理解する段階では「0〜127」で覚えておいて問題なさそうです。0と127が特別扱いだと知っておく程度で十分だと感じました。
クラス=プライベートIPだと思い込んでいた
学習を始めた頃、「クラスB=172.16〜」「クラスC=192.168〜」のように、クラスとプライベートIPをほぼ同じものだと思っていました。
実機やPacket Tracerで目にするアドレスが、ほとんどプライベートIPだったからです。
実際には、クラスはグローバルIPも含めた分類で、プライベートIPはその中のごく一部でした。
まとめ
- サブネットとサブネットマスクの違い
- サブネットマスク = 境界線をどこに引くかを決める「ものさし」
- サブネット = そのものさしで実際に区切られた「区画(小グループ)」
- クラスA〜Eの規則性
- 2進数で見ると先頭の「1」が1個ずつ増えるだけで、範囲が半分ずつ(128→64→32→16)狭まっていく仕組み
- クラスとプライベートIPの違い
- クラス = グローバルIPも含む全体の大まかなサイズ分け
- プライベートIP = クラスという広い枠の中から一部だけを切り出した特別枠
- デフォルトマスクとサブネットマスク
- デフォルトマスク = クラスごとにあらかじめ決まっている「初期値(スタート地点)」の仕切り線
- サブネットマスク = 出発点から自分で自由に区切り直した「カスタマイズ後」の仕切り線
最初は言葉の違いで混乱しがちですが、それぞれの役割を「ものさし」や「区画」といったイメージで分けておくと、仕組みがスッと頭に入ってきます。
次は、この基礎を土台にして、実際にサブネットを計算していく「計算編」に進みます。
