ネットワークって結局なに?OSI参照モデルを配送業者で例えてみた

CCNA学習

ネットワークって結局なに?OSI参照モデルを配送業者で例えてみた

「雲」の中身が気になっていた私

ネットワークの図を見ると、真ん中に雲のアイコンが描かれていることがよくあります。

学習を始める前の私は、この雲の中身が気になって仕方ありませんでした。実体が見えないぶん、「一体どうやって世界中とつながっているんだろう」と、不思議に感じていたんです。

こんにちは、ハチイチです。

この記事は、40代からネットワーク学習のためにCCNA資格取得をめざす学習ブログです。初心者の目線で、「つまずき」や「気づき」を書いています。

今回は、「OSI参照モデルの7つの階層」「雲アイコンの中身」について、学習していきます。

  • OSI参照モデルとは、「データの配送ルールを7つのステップに分けた世界共通の役割分担表」です。OSI参照モデルを理解すると、目に見えない通信の流れを「今は荷造りの最中かな?」「今はトラックで道を走っているところかな?」というように、階層ごとに順番に追って考えられるようになります。
  • 雲の中身は、物理と論理が重なってできた「巨大なネットワーク」です。

この記事で分かること

この記事を読むと、次のことが分かります。

  • ネットワーク通信が「7つの役割(階層)」に分けて考えられていること
  • 各階層が具体的に何を担当しているのか
  • なぜ7つの階層に分けて考える必要があるのか
  • 「カプセル化」「非カプセル化」によって、通信中にデータがどんな姿に変わっていくのか
  • 「雲アイコン」の中身が、実際には何で構成されているのか

物理的な「つなぐ」作業と、論理的な「階層」の違い

学習を始めて分かったことがあります。

これまでの現場仕事でも、ケーブルをつないでいく作業はありました。電柱から通信線をユーザーの自宅までつなぎ、そこからルーターへと接続していくことで、ようやく先まで信号が届きます。

ただ、ネットワークで出てくる「7つの階層」という考え方は、これとは少し違うものでした。物理的な接続は「モノとして、線をつないでいく」作業ですが、OSI参照モデルの階層は、モノではなく「役割」で分けられています。

同じ「順番につながっていく」でも、対象が物理的な機器なのか、論理的な役割なのかという違いに、最初は戸惑いました。

学習で実際につまずいたところ

つまずいた点は、次の2点です。

一つ目は、7つの階層の名前です。「プレゼンテーション層」「セッション層」といった言葉は、横文字や英語が苦手な私にとって、名前だけを丸暗記しようとしても、なかなか定着しませんでした。そこで、まず階層ごとの役割を理解してから、後から名前を結びつけるようにしたところ、少しずつ覚えられるようになりました。

二つ目は、「カプセル化」です。この仕組みはデータを正しい相手に正確に届けるため、階層ごとに必要な情報を足していく仕組みです。また同じデータなのに、通る階層によって呼び方が変わります。階層ごとに図解で確認することで理解ができました。

OSI参照モデルを、配送業者に例えてみる

OSI参照モデルとは、いわば「データの配送ルールを7つのステップに分けた世界共通の役割分担表」です。各階層が自分の担当分だけをきちんとこなすことで、通信全体が成り立っています。

7つの階層は数が多くて、名前を覚えるだけで精一杯だったので、荷物を配送業者に依頼する場面に置き換えて考えてみます。

階層配送業者での役割実際のネットワーク用語(CCNA)
第7層 アプリケーション層あなたが、配送業者を選び「荷物を運んでほしい」と依頼するHTTP、DNS、SSHなどのプロトコル
第6層 プレゼンテーション層国や業者が違っても同じ形式で扱えるように、共通ルールで伝票を書き換える文字コード、JPEGなどのファイル形式、TLSによる暗号化
第5層 セッション層依頼を受けてから配送完了まで、担当ドライバーと連絡できるようにしておく通信の開始・維持・終了
第4層 トランスポート層荷物に伝票番号を振り、荷物が問題なく配送できているか確認・追跡するTCP、UDP、ポート番号(データの単位:セグメント)
第3層 ネットワーク層届け先の住所をもとに、どの経路で運ぶかを決めるIPアドレス、ルータ(データの単位:パケット)
第2層 データリンク層各配送センターでの荷物の積み下ろしや、区域ごとに受け渡しMACアドレス、スイッチ(データの単位:フレーム)
第1層 物理層実際に走る配送トラックや道路LANケーブル、NIC(データの単位:ビット)

こうして並べてみると、CCNAで学ぶネットワーク用語が、配送業者のどの役割にあたるのか分かります。「TCP」や「MACアドレス」という言葉が出てきても、この表をもとに考えて、どこの階層のどんな役割をしているのか理解できるようになりました。

また7つの階層のメリットは、それぞれが「自分の役割」に専念していることです。

たとえば、第1層のトラックが飛行機に変わったとしても、第2〜7層の役割を変える必要はありません。各階層が役割に専念しているため、どこか一つの階層でトラブルが起きても、原因を特定しやすい便利な仕組みです。

「カプセル化」・「非カプセル化」

カプセル化とは、データを送信するとき各階層で必要な情報を「送り状(ヘッダ)」として付け加え、荷物を丁寧に梱包していく作業のことです。

その逆で非カプセル化とは、データを受信するときに各階層で「送り状(ヘッダ)」を取り外す作業のことです。

配送業者の例えでいうと、「自宅に届いた段ボールを開け、緩衝材・包装紙を取り除き、パッケージから商品を取り出す」という一連の動作が、非カプセル化です。

PDUと、ペイロードの違い

  • PDU(Protocol Data Unit:プロトコル・データ・ユニット):その階層でやり取りされるデータのかたまり全体(ヘッダ+中身)のこと
  • ペイロード:その階層のヘッダを除いた、実際に運ばれる中身の部分のこと
  • トレーラー:誤り検出用の情報

ある階層のPDU全体が、そのまま次の階層にとってのペイロードになります。階層を降りるたびに自分のヘッダを追加して、次の階層に渡していく。この繰り返しが「カプセル化」でした。

トレーラーだけがデータリンク層に付くのは、フレーム全体を組み立て終えた後でないと、正しく届いたか確認できないためです。

ヘッダは「これから何を運ぶか」を先に伝える情報なので前に付き、トレーラーは「実際に届いた内容が壊れていないか」を確認するための情報なので、最後に付け加えられる。というイメージで私は理解しました。

階層この階層でのPDU名称ペイロード(=上の階層から受け取った中身)
第7〜5層データ(アプリケーションが作った元のデータ)
第4層 トランスポート層セグメント(TCP)/データグラム(UDP)第7〜5層からのデータ
第3層 ネットワーク層パケット第4層のセグメント全体(トランスポート層ヘッダを含む)
第2層 データリンク層フレーム第3層のパケット全体(ネットワーク層ヘッダを含む)
第1層 物理層ビット列(電気・光・電波の信号)第2層のフレーム全体

PDUの呼び名

階層を通るたびに、データの呼び名が変わっていきます。CCNAの学習では、第4層〜第2層の呼び名が試験で重要なポイントです。

  • 第4層 セグメント(TCP)/データグラム(UDP)
  • 第3層 パケット
  • 第2層 フレーム

調べて分かった「雲アイコン」の中身

「雲の中身は本当は何なのか」。今回、一番気になっていたのがここでした。調べてみると、CCNAの教材でも、雲のアイコンは「インターネット」や「WAN」を表す記号として使われていて、LANとLANの間に置くことで、その先の複雑な仕組みをまとめて表現しているのだと分かりました。

そして、雲アイコンの正体は、物理的なケーブルと通信機器の上に、論理的な仕組みが重なってできた「巨大なネットワーク」でした。

  • 自宅のルーターから伸びるケーブル(光回線の場合は、ONUという機器を通り、そこから「引込線」というケーブルが伸びています)
  • 電柱を経由する通信ケーブルや、地下に埋設されている通信ケーブル
  • 通信会社の設備(NTTなどの地域ごとの交換局)
  • スマートフォンなどの無線通信を受け止める基地局(docomo・au・ソフトバンク・楽天モバイルなど)
  • 海をまたぐ通信を支える海底ケーブル
  • Webサイトやアプリのデータをためているサーバーやデータセンター(Google・Amazon・Microsoft、国内だとさくらインターネットなどが有名です)

たとえば、スマートフォンでAmazonから買い物をするとき、注文した情報はスマートフォンの電波を通じて携帯基地局に届きます。それから、携帯電話会社のネットワークを経由して、Amazonのデータセンターにあるサーバーまで届き、そこで注文システムが処理しています。

自宅のWi-Fiから注文する場合も、ルーターからONU、通信ケーブルを通って、通信会社のネットワークに入り、同じようにサーバーまで届きます。

自分が契約している通信会社より先は、まとめて「雲アイコン」として描かれることが多いようです。

つまり、雲アイコンの中身は、光ケーブルや通信機器といった「物理的なネットワーク」の上に、IPやルーティングなどの「論理的な仕組み」が重なってできたものだったんです。

私が担当してきたのは、その一番下の物理層だったんだと理解しました。

まとめ

OSI参照モデルとは、いわば「データの配送ルールを7つのステップに分けた世界共通の役割分担表」

OSI参照モデルを配送業者の役割に置き換えてみると、第7〜5層は荷物の依頼内容ややり取りを、第4〜1層は荷物を実際に届けるための管理・経路・配送を担当しています。7つの階層が、モノではなく役割で分かれていることを学習しました。

またOSI参照モデルのメリットは、7つの階層がそれぞれ「自分の役割」に専念していることです。どこか一つの階層でトラブルが起きても、原因を特定しやすい便利な仕組みになっています。

「カプセル化」とは、データを送信するとき階層を降りるたびに送り状(ヘッダ)を付け加え、荷物を丁寧に梱包していく作業のことで、「非カプセル化」とは、データを受信するとき階層を上がるたびにヘッダを剥がして確認し、取り外す作業のことです。

また、階層ごとに呼び方が変わります。第4層のセグメントデータグラム、第3層のパケット、第2層のフレームは、CCNA試験でも重要なポイントです。

雲アイコンの正体とは、物理的なケーブルと通信機器の上に、論理的な仕組みが重なってできた「巨大なネットワーク」

雲アイコンの中身も、決して空っぽではありません。

私が扱ってきた光ケーブルだけでなく、世界中に張り巡らされた海底ケーブルや、データセンターという巨大なサーバー群までつながっていました。こうした物理的なケーブルと通信機器の上に、論理的な仕組みが重なって構成された「巨大なネットワーク」でした。

次回は、実際に使われているTCP/IPというモデルについて、続けて学習していきます。


タイトルとURLをコピーしました